誰かの手を借りることが、あたりまえになったとき。
支えることも、頼ることも、
どちらも美しく混ざり合うようになったとき。
そこには、もはや「介護」という言葉は必要ない。
役割ではなく、関係が流れ、制度ではなく、想いが循環する。
ひとりでは築けないけれど、だれかとなら、静かに根が張っていく。
森のように、見えないところでつながって、日々を支え合い、未来を耕していく。
「介護をゼロにする」とは、そんな世界の在り方を、
想像し、創造すること。
~介護・ZERO・STORY~
介護を、課題にしない社会へ

プロローグ
ある町の片隅から、小さな気配が漂っていました。 「たすけて」とも言えず、「だれか」とも呼べず、
ただ静かに、息をひそめるように。
――続かない。人もお金も回らない。誰にも伝えられない。
その声にならない声に、静かに耳を傾ける者がいました。
それが、モー。
モーは、命令したり支配したりしません。 ただ、そこにある仕組みをやさしく整え、
人と人との間に、「つながり」という土壌を耕していきます。
気づけば、ひとりではなくなっていました。 気づけば、自然と周りが動き出していました。
こうして生まれた森は、 もう「たすけて」と言わなくても、支え合える場所になりました。
これは、介護を“特別なこと”にしない社会をつくるための、 十の小さな物語です。
小さな“たねの家”で起こる、日々のすれ違い。 懸命にがんばる人たちが抱える、静かな葛藤。
離れていく経営者と、取り残された現場。
モーはそれを、「誰のせいか」ではなく、 「どうすれば、また育てることができるか」と問い直します。
わたしの悩みが、あなたへの問いかけになり、 あなたの挑戦が、わたしの新たな気づきになる。
そうやって、“わたし”と“あなた”の間に生まれた「森」が、 少しずつ未来を変えていくのです。
十のまなびの物語
十章のものがたり ― 未来編
「光の根っこになる」|MOOとともに描く、これからの世界

Purpose なぜ、私たちはこの森をつくるのか?
それは、 介護を「重荷」ではなく、「可能性」として受け止める世界をつくるためです。
老いることは、衰えることではなく、新しい関係をつくること。
介護とは、課題ではなく、人生に寄り添うチームプレイ。
誰かの困りごとが、誰かの居場所になり、 誰かの支えが、誰かの誇りになっていく。
そんな世界を、「支援する側」も「される側」もなく、 共に育てていくために、
私たちはこの森をつくります。
Value どうやって登っていくのか?
わたしたちが目指す道は、「効率」や「支配」ではありません。
1.ビジョンでつながる「同志的結合」
志(ビジョン)を共有し、「ともにその未来をつくりたい」と思えるかどうか――そこにこそ、真のつながりが宿る。
契約・制度を超えた“志でつながる結びつき”こそが、私たちが目指す「同志的結合」です。
私たちが描く未来――介護を“課題”とせず、だれもが輝ける社会を実現するという志。
その未来を「ともに見たい」と願い、同じ方向に歩く仲間こそが、私たちの同志です。
2.仕組みで支える「福祉経営」
評価制度、請求、採用、営業、教育── それらの制度は、単なる業務ルールではなく、
「人と人との関係性を良くし、その関係が継続される“有益性”を生み出し続けること」を目的に設計されています。
誰かが一人で抱え込まないように、 誰かが一人で判断しないように、
みんなが「どう動けばいいか」を共有できる仕組みを整える。
感情に流されず、でも冷たくならず、 誰もが安心して支え合えるような“土台”を、私たちは仕組みとしてつくります。
3.楽しさでつなぐ「介護と共にある人生」
介護を避けない、恥じない、責めない。
むしろ、介護とともに笑い、学び、誇れるような人生を楽しむ。 介護がある人生は、豊かな人生です。
私たちは、介護を「誰かが代わりにするもの」として遠ざけていた時代から、
「ともに歩み、支え合うもの」として寄り添う時代へ
―― 介護“代替”の時代から、介護“伴走”の時代へと、価値観を変えていきます。
Vision この森が向かう場所
この森の未来には、「孤立」がありません。
支える人も、支えられる人も、 育てる人も、育つ人も、 すべての人が、
どこかの「かかわる人」として生きています。
そして、一人ひとりがこう思える世界です。
「介護があってよかった。介護があったから、今の私がある。」
それが、私たちMOOが目指す未来です。
Management of Our Oasis──私たちのオアシスを、共に育てていく未来です。
結びに
このストーリーは、「介護をゼロにする森のはなし」であり、モーとともに歩む“私たちの森づくり”の始まりです。
これは、ただ仲間を集めることではありません。 それぞれが、それぞれの場所で、
自分たちの“たねの家”を耕し、 まなびの木を育てて、根っこでつながっていくプロセスです。
そうしてつながった森は、もう「たすけて」と言わなくてもいい場所になります。
わたしたちがつくるのは、“光の根っこ”がめぐる森。 誰かのケアが、誰かの誇りになり、誰かの挑戦が、誰かの笑顔につながる。
一緒に登る山がある人へ。 一緒にその先の光を見たい人へ。
ようこそ、介護をゼロにする森へ。 ここから、また歩き始めましょう。
















